『排出権取引とは何か』を読みました [お金も大事]
横浜市立図書館で借りました。
相変わらず、北村慶さんの著書は読みやすい文章で好きです。
『「温暖化」がカネになる』に引き続き、排出権取引の最新事情が整理されている本書で
気になったのは次のような点。
・その排出権はホンモノ?
→排出権には大きく3種類がある。
「京都議定書排出権(CER)」
「EU域内排出権(EUA)」
「その他、州政府連合体等による制度」および「民間制度に基づく排出権(VER)」
VERの中にはまじめに取り組んでいる団体ももちろんあるが、一部には悪質な業者もいる。
目で確認できない削減効果だけに、排出権の種類は要注意。
・世界の排出権の半分を生産しているのは中国。次いで、インド、ブラジル。
→その次が韓国というのが意外でした。
・本来なら、排出権(CER)の移転が完了して初めて意味がある。
排出権の需給のバランスが崩れており、未認可で先に売り渡す「先渡し契約」が横行。
日本政府が今まで購入した排出権は、実は中国やブラジルなどの「先渡し契約」が中心。
つまり、それらCDMプロジェクトが認可されないというデリバリー・リスクを日本は抱えている。
・日本の「京都議定書目標達成計画」には、原発の高稼働率維持に負う部分がある
→日本は地震大国であるにも関わらず!!
とにかく排出権取引に関して、日本が置かれている状況が厳しいということは間違いないようです。
『「温暖化」がカネになる』をまず読み、本書を読むと理解しやすいと思いますが、どちらか1冊読むとしたら、多少重複している内容もあったようなので、最新の本書のほうが良いと思います。
>斗夢さん
nice!ありがとうございます!
by tyo (2008-07-23 19:23)