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『「食糧危機」をあおってはいけない』を読みました [環境と野菜]


「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)

「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)

  • 作者: 川島 博之
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/03/26
  • メディア: 単行本


上尾市図書館で借りました。

背表紙に書かれている通り、まさに「目からウロコの真の啓蒙書」でした。
どうやら、世界では「食糧は、本当は余っている」ようです。

そもそも、世界には休耕地が多く(日本だけではない!)、農地として利用可能な土地がまだまだ多くあり、生産性が限界に近い国は一部で、温暖化は農業利用可能な地域を増やす可能性もある。昨今の在庫の減少は流通が整備されたためであり、しかも、いずれ世界の人口は減少に転じる予測。

こういったデータを踏まえてシステム工学で分析すると、食糧が現在不足しているという結果には至らないようで、今後も食糧危機など起こらず、むしろ、収量が向上しすぎたために色々と経済的な問題が起きているという指摘は、確かに目からウロコ。

どうやら結局、金融の問題ということなのだ。
石油も、食糧も。今後は、水も?
そして、いつも割を食わされるのは、持たざる人たち。

日本の食糧自給率の向上をうたうのは、あの戦争で国民総飢餓状態を経験した世代が、世論形成に影響力を持っているため、という指摘に関心を持ちました。他国では国民全てが飢餓状態ということは経験していないということです。その上で、「平和を保つことこそ最大の食糧安全保障」という提言は納得。シンガポールに農地は無いだろうけど、成立しているわけだし。農家を犠牲にするような(そして国民にも税金という負担があるわけで)国内生産力の維持より、少量で利益の出る作物の生産こそ、日本の農業の生きる道である、と提言して締めくくられています。

目からウロコが何度も落ちました。
是非、本書は購入したいと思いました。面白い!

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