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『家畜福祉』という考え方 [環境と野菜]


葉っぱで2億円稼ぐおばあちゃんたち―田舎で生まれた「元気ビジネス」成功法則25

葉っぱで2億円稼ぐおばあちゃんたち―田舎で生まれた「元気ビジネス」成功法則25

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本


横浜市立図書館で借りた本の続きです。

本書の日本獣医生命科学大学の松本洋一氏のインタビュー記事で、『家畜福祉』という考え方を初めて知りました。

それは、1997年発効のEU議定書に明記されたもので、
家畜を「感受性のある生命存在」と定義づけ、最後は命を奪うにしても、飼っている間は感受性を尊重すべき
という考え方。EUでは、2012年から鶏のケージ飼いが前面禁止になるそうです。

偏った栄養バランスの飼料や、劣悪な飼育環境がストレスを高め、病気にも弱くなる。病気を防ぐために本来なら必要の無い薬品を投与する。ストレスを抱えたままの卵や肉は味が落ちる。そして、人への病気の感染の恐怖―――。その最大の予防が、快適な環境での飼育や扱いをすることで、ストレス耐性を持ち健康的に育てる、ということなのです。

やはり、生産性や効率性だけを追求する経済は、限界があるように思いました。

こうやって育てられた家畜を代表する『高自然価値商品』と呼ばれるものが、EU市場内で影響力を持ち始めているそうです。つまり、市民がそういう商品を積極的に選択し、農家への補償制度を政府が設けるなど、サポートしているというわけです。生物多様性という基本的な考え方がそこにはあります。EUのその実行力は、やはりすごいものだと思いました。

一方で、日本では、野菜に関しては一部の「産直」が生物多様性の考え方に則って機能していると、松本氏はコメントしています。日本でEUと同じレベルの農業を展開するには、農家の努力や政府のサポートだけでなく、消費者の意識やサポートがもっと必要な気がします。畜産物を食べるのは、消費者なのですから。

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