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時代がヒーローを生むのか、ヒーローが時代を生むのか [お金も大事]

時代がヒーローを生むのか、ヒーローが時代を生むのか―――。
かれこれ10年前、大学で、「日本現代文化論」といった名前の授業を受講した時の話だ。

確かTBSのプロデューサーといったような人が講師で、授業中にTBSのドラマを見せてくれたりした。「オトナの男」という役所広司が主演のドラマだったが、音楽の担当が古内東子と小松秀行で、当時小松秀行のベースと佐野康夫のドラムに完全にハマっていた僕は、ドラマよりも授業中にその音楽が聞けるという意味で嬉しかった。




Night and Day

Night and Day

  • アーティスト: 古内東子,古内東子,小松秀行
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1997/09/21
  • メディア: CD




それはさておき、その授業のある日のテーマが、「時代がヒーローを生むのか、ヒーローが時代を生むのか」ということだった。つまり、時代の要請がヒーローを生み出すのか、それとも天才的なヒーローが牽引して時代を作り出すのか、ということ。当時の僕は、漠然と「時代がヒーローを生む」に手を挙げていたような気がする。いや、「ヒーローが時代を生む」に手を挙げていたかも。理由も、どちらに手を挙げたのかも、余り覚えていない。

さて、大学を卒業してからも、この「時代がヒーローを生むのか、ヒーローが時代を生むのか」ということは、事あるごとに考えていた。それは、次のような時だった。

 ・テレビで芸能ジャーナリストが芸能人について語っているのを見た時。
 ・同じ芸人が1年くらいの間だけ毎日のように出演しているのを見た時。
 ・音楽や本などコンテンツ制作の裏側にいかに多くの人が携わっているのかを知った時。
 ・経済誌やネット上で特定の作家ばかり特集されているのを見る時。

そして、とても簡単なことに気付いた。

 ヒーローは、ビジネスを生みだす種であり、世の中にはヒーローを飯のタネとしている人が居る。
 ヒーローを何としても作り上げなければ、食い扶持が無くなり、困る人が居る。

突然オファーが殺到する芸人や、書店で平積みされる作家は、本人の意思とは関係のない所で、加速度的に社会に認知される。あたかも、自身のマーケティング実践の成果のように話す人もいるようだが、それは、取り巻きが自分の飯のタネのためにヒーローを懸命に担ぎ上げた結果だ。ヒーローは、自分で踊っているようで、実は踊らされている部分もあるのだと思う。

乗せられて、担ぎ揚げられた人が、化けの皮を剥がされて非難に晒されるのもまた、こういったヒーローを飯のタネとしている人たちによる仕事だと思うと、やっぱりヒーローは踊らされているのかもしれません。

つまり、文化的な理由ではなく、経済的な理由でヒーローは生み出され、存在しているのではないか、ということ。考えてみれば、観光地で歴史上の人物のお饅頭を作るのと同じことだ。もちろん、飯のタネということではなく、本気でヒーローを応援している人も居ると思いますが・・・。

ということで、僕はやはり「(経済的な意図により)時代がヒーローを生む」に1票です。


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