NHK 「食 日本の、これから」を見ました [環境と野菜]
長野に行っている嫁から知らされて、「食 日本の、これから」の開始時刻に間に合いました。
「食料自給率の向上と国内農業保護の要否」、
「経済成長のための工業輸出とバーターとしての農産物輸入の是非」、
「米だけを手厚く保護すべきか」、
といったことが主なテーマでした。
知りえた情報と、個人的な感想をいくつか。
・番組内でのアンケートの結果、「食料輸入について、良い面より悪い面が多いと考えている人が
圧倒的に多い」ということで、安心したが・・・。一方で、この番組に関心を持っている人は、
やはり国内の農業関係者が多いのではないか、だからこの結果なのでは、とも思った。
・食糧保障の観点。「戦争などの国際紛争」により輸入できなくなるという心配の声があったが、
今後はむしろ「異常気象に起因する不安定な収穫量」のリスクの方が高くなるように思う。
・番組では取り上げられていなかったが、「仮想水」や「フードマイレージ」の問題もあるのに、
異常気象が懸念される将来においても、安価で食料を輸入できるのだろうか?
※「仮想水」「フードマイレージ」はそれぞれ参照ください。
・将来、人口爆発による食料不足が予測されているのに、国内自給率が下がり続け、
日本が必要な輸入量が確保できないという状況に陥った時に、
もし日本に農業の後継者がいなかったら、いったいどうなるのだろうか?
ジム・ロジャーズの本には、『エチオピアでは食料支援があるゆえに、自分たちで農業を行うという
インセンティブが無くなっている』と書かれていた。この本にはノーベル経済学賞を受賞した
インド人経済学者アマルティア・センの言葉が引用されていた。
『ほとんどの飢餓は食糧不足ではなく政府の落ち度で起こされる』
・「米を中心とした食生活にするためには、ゆとりのある生活が必要」という意見があった。
まったく同感です。農業政策だけでなく労働政策を含めて考慮が必要だと思った。
・最新情報だと、国内の耕作放棄地39万ヘクタール。もったいない・・・。
これまた番組では取り上げられていなかったが(というか、取り上げにくいのでしょうが)、
これらの土地を証券化して、企業が効率の良い農業を行い、
その収益を受益者(=元の土地の所有者)に還元する「農地REIT」を
実験的にやってみても良いのではないかと思った。
・「大規模」「零細」双方が共存する農業というのが、
日本の将来の農業の理想的な姿という意見には賛成だ。
・後継者不足の話は非常に気になりました。「若者を引き込む魅力が農業には必要」
「若者が来ないのは農業が儲からないから」という声が農家の方からあった。
こういう意識があるなら、農業は復活出来るのではないかと期待を持った。
一方で、あの場で「簡単に変えられるわけ無い。じゃあ、あんたがやってみろ!」などと
言っていた農家の方は、残念ながらやはり今後も状況は何も変わらないと思う。
企業であれ個人であれ、意識を変えたことで上手く行くこともあると思う。
・消費者は何をすべきか。番組では出ていなかった考えも含めてですが・・・
「自分の住んでいる地域で収穫されたものを中心に、国内産を選択して購入する」
「加工品は産地不明の原材料が多いので、可能な限り素材を購入する」
「国内産が割高なのは、将来の自分の食料保障・環境保全コストだと認識する」
こういう意識を持つ人が増えないと、農家をサポートできないと思う。
こういう番組が増え、農業に関心を持つ人が増えれば良いですね!
農業経営ということで、下記の本を読んでみたいなと思ってます。
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以前図書館で借りたのだけど、読む時間がなくて返却。(また借りようと思っています)
企業経営と農業の両立は興味深いですな。
農地REIT、初めて聞きましたがこれまた興味深い。
by Taka (2007-10-21 19:27)
>Taka さん
コメントありがとうございます。
この本、読んでみようかな。
by tyo (2007-11-15 10:22)