『グリーンスパンの正体――2つのバブルを生み出した男』を読みました [お金も大事]
横浜市立図書館で借りました。
北村慶さんが監訳・解説ということで読もうと思ったのです。
在任前の過去50年、米国において発生していなかったバブル。
2000年前後の株式バブルおよびその後の不動産バブルを生み出したのが、
前FRB議長であるアラン・グリーンスパンであると本書は指摘しています。
本書を読んで強く思ったのが「議事録」の恐ろしさと、その重要性でした。
本書が多く引用するFOMC議事録からは、グリーンスパンの「生産性向上への心酔」や、バブルの発生を無視している様子がうかがえます。評価される向きのあるグリーンスパンが、「実は解っていなかったのでは?」と思える発言が公開されているのです。
株式市場の値崩れに対応するように利下げすることから「グリーンスパン・プット」と呼ばれ、市場(というか投機熱)から呼ばれ信頼されるようになったというのは、興味深い話でした。
そして、ITバブル(世界最大の株式バブル!)の崩壊を打ち消すために、最低金利水準を約1年も継続することで、住宅バブル(世界最大の不動産バブル!)を生み出し、そしてその影響が今世界中を覆っているわけです。
時間の無い方は、巻末の北村慶さんの解説だけ読まれても良いのではないでしょうか。
米国住宅ローン問題の本質であるHELOC(ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット)の
解説はわかりやすかったです。そりゃ、住宅価格が下がったら、大変なことになるな・・・。
本書を読むと、やっぱり『金持ち父さん貧乏父さん』の不動産投資の手法というのは、
「今まで住宅価格が下がったことの無かった米国」というのが大前提という気がします。
表紙の写真の素晴らしさといい、とても良い1冊だと思いました。
>斗夢さん
nice!ありがとうございます!
by tyo (2008-08-02 15:01)