『演劇は道具だ』を読みました [本を読む]
横浜市立図書館で借りました。
中学生以上が対象の、演劇入門書です。
演劇入門といっても、「書き方」はあくまでも平易であり、あの宮澤章夫の文章です。
話が込み入ってくると、「あとに回します」とか、「他の本を読んでください」とか、
しかも、あとでその話題が出てくるかというと、出てこない。(笑)
ここに書かれているのは、単なる演劇論ではなく、「演劇知」を通じた演劇と人生についての洞察。込み上げてくるおかしみ。演劇問題研究会の自己紹介のくだりなど、最高だ。
日常のおかしみを見過ごしている気がしてきました。
言葉にできないものは、こうも面白いものなのか。
著者はこう言います。
わたしは演劇をうたがってもいますが、その一方で、演劇という人のいとなみを、
圧倒的に信じてもいます。(P167)
ていねいに見て、呼吸し、自分でふれて、自分で立つ。
なんだか、日常の当たり前のことを、できているようでできていないのだと感じるとともに、
演劇って、魅力的で面白いものなのだと思いました。
宮澤章夫といえば、この本も好き。
「わからなくなってくる」って、確かにおかしな話。(笑)
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