『週2日だけ働いて 農業で1000万円稼ぐ法』を読みました [本を読む]
上尾市図書館で借りました。
とにかくリアル。
農業の大変さや、必要なお金などが具体的に書かれている。
だからこそ、著者の次の主張は実践的であり説得力がある。
直販は儲からない、農協ルートが合理的(P154)
多分、これが今の現実の日本の農業の答えなのだと思った。
有機JASや特別栽培などで育てた野菜を直販するのが「善」であり、農薬を使って慣行農法で育てた野菜を農協でさばいてもらうのが、極端に言えば「悪」みたいな論調も世間にはあるが、直販で上手く収益を計上できている農家は、ほんの僅か。必ずしも農薬を使うことが悪ではないし、農協が悪ということでも無いわけで、マーケティングを理解している経営力のある農家だけが、今後も生き残り、直販も可能となるのだと思う。
本書を手に取る多くの人は「週2日だけ~」が目に留まるだろうし、確かにタイトル通りの内容ではあるが、個人的には上記の主張が一番印象的であり、現実的な視点を持つ著者に好感を持った。
著者は、数百冊のビジネス書を読み、自身でもビジネス書を出版すべく、何度も企画案を投稿しては失敗し、今回ダイヤモンド社から出版ということになったそうだ。なお、本書では同じ話題が、少し情報を変えた形で2度も3度も出てくる。章ごとに完結した話を1冊にしたためなのか、あるいはボリュームを増やすための編集の都合なのかはわからないが、非常に煩雑であり、マイナスに感じた。もっと、整理して表などを加えてコンパクトにし、新書の形だったら理想的な本だと思った。
「土地は買うより借りた方が良い」「野菜は高収益」「農業を学ぶには学校に行かずとも、農業高校で使う教科書を購入して、農家でバイトした方が良い」「単純作業はアウトソーシング」など、実践的なノウハウはとても参考になった。かなり実践的なノウハウは多く載っていると思う。ところで、著者の祖父も父親も農家であり、結局のところ、身近に農業経験者が居ることが一番の成功の秘訣なのではないかと思ったのだが、どうだろうか・・・。
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